(スレミク)
「もー駄目です!もー一歩も動けませぇん!」
ライラの気力のない声があがる。それもそうだ、この道中ひたすら憑魔に襲われ続けみんな疲れ果てていた
「といってもこんなところに街なんてなさそうね・・」
「じゃあ野宿でもしよっか」
「ええー!こんなに頑張ったのに宿にも泊まれないんですか!」
「でもしかたないっしょこればっかりは。旅にはつきものだって。ほらそうときまったら野宿しよー!」
「いつ決まったんだ・・・」
こんなときでも元気な女性陣と決まってしまった野宿にミクリオがつっこむと「まぁいいじゃないかミク坊!ほれ女性にやらせるなんて男としてどうよ!俺たちもやるぞ!」とザビーダが背中を押す
なんだかんだ休むとなると皆さっさと準備をこなす。火を焚き食事をするとすぐさま寝ようとした
「あーもー駄目、一歩も動けない!」
「ロゼも根を上げるなんてめずらしいな」
「だってずーっと戦闘だったもん。前もいったけど私女の子なんで!」
「あはは、そうだった」
「そうだったってなによ~」
「怒鳴らないでよ。その声聞いてるだけで疲れるわ」
「う、すいません・・」
エドナがぎっと睨むとしゅん、とロゼは素直に謝る。ただでさえ憑魔が多い場所だ、男性陣が交代で見張りをすることとなった
「んじゃミク坊、あとよろしくな」
「ああ」
おおあくびをするザビーダと交代をし、次はミクリオの番だ
ミクリオは眠い目をこすりながらも「よし」と気合をいれた
皆疲れているだろう、朝になにか甘いものでも食べようと皆を起こさぬように調理を始めた
「スレイも、喜んでくれるだろう」
そう思うと不思議とやる気がでてくる。単純な自分に笑いながらリュックの中を漁り始めた
「ふぁあ・・・ん?」
スレイはたまたま目を覚まし、寝返りをうつとミクリオの背中が見える
そうか、今はミクリオの見張りだったか、と再び夢の中に戻ろうとするが最近二人きりの時間がないなぁ、と思うと気づけば身体を起こしていた
「ミクリオ」
「ああすまない。起こしたか?」
「いーや大丈夫。なにしてんだ?」
「ああ、朝食に甘いものでも、と今から作っておこうと思って」
「へぇ・・・いい嫁さんになるな、ミクリオ」
「・・君寝ぼけているだろう。ほら早く寝なよ。まだ君の見張りの時間じゃないぞ」
「ん~」
返事のような返事じゃないような声を上げながらスレイは眠そうな顔で後ろからミクリオに抱きつく
「ちょ、危ないだろ。こぼしてしまう」
「ん~」
「聞いているのか?」
「聞いてる聞いてる」
「もう・・じゃあ起きてていいから邪魔しないでくれ」
「ねむい」
「・・・駄々っ子・・・」
おもわず声に出しながらスレイの髪を優しくなでる。その撫で心地にうっとりしているとミクリオの頬にチョコレートがついていることに気づく
(おいしそう・・・)
なにもいわず、そのチョコレートが食べたいと思うと無意識にべろりと舐めとった
「ひゃ!?す、すれい!?」
「っぷ、はは。ひゃ、だってよ!」
「そ、そりゃそんな声もでてしまうよこんなことを急にされたら!いったいどうしたんだ」
「ああチョコがついてた」
「じゃあそう言ってくれたらいいじゃないか」
「美味しかったしいいじゃん」
「それは君だけだろう。まったく、言ってくれなきゃ僕が驚くじゃないか」
「じゃあ言えばいいのか?」
「え」
「キスするね」
そういうとぐい、と肩をひっぱり向かい合わせにすると口付けをする。スレイの口の中に残っていたチョコレートのせいで口の中が甘くなっていく
「ん、っふ、ん・・・!」
やめろ、と胸をとんとん叩くがそんな抵抗は無いに等しく、やっと解放されたときにはミクリオは息切れをしていた
「んー・・・甘い。うん、あまい・・」
確かめるように何度もうんうんと頷きながら繰り返すスレイにミクリオは軽く腹にパンチをした
「いてっ」
「スレイ・・!」
「わーわーごめん。皆起きるから怒鳴らないで、ね?」
「わざとだろ君・・!」
「ごめんって!・・・ミクリオ、顔赤い」
「誰のせいで酸欠になっていると思ってるんだ・・」
ぐい、と口元を拭いながら肩で息をするミクリオを見ていると眠くて余り働かない頭がピンク色になっていく
「ミクリオ、あまいもの、あとどんだけでできる?」
「ああもう仕上げだな・・それがどうした?」
「ん、あとでエッチしよ」
「え」
Very sweetsweet Dssert(ションベンしに起きたらリア充見せつけられちまった・・後でライラちゃんのところに泣きつこうかな・・・)終
+*+*+あとがき+*+*+
スレミクです
ミクリオはうちのパティシエのごとく最初から最後まで腕を振るっております
絶対お菓子ネタでキス差せんぞ、とおもったらありきたりになりました
最後のはザビーダですが完全にとばっちりです
個人的には終盤のイベントもありザビーダとエドナが気になってます。ぎゃんわいい・・
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