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こいごころ

(スレミク)

今思えば運命の人だったんだと思う

ずっと思っていたことがある日、ぽろりと口から零れ出てしまった
柄にもなく思わず慌てていると笑いながらこう言われた
「そうか、僕もそう思ってたよ」
あの頃はからかわれているとばかり思っていたけれど
いまならあの言葉は本心だったのかな、と思い胸を温かくした


こいごころ


イズチを出て行こう、そう行動を起こしてからは早いものだった
軽く身支度をするといつもの遺跡探検をしに行くときのように一歩一歩と歩みを進めた
でも今回は遺跡探検ではなく旅の出発だ
道中「寂しいのか?」とスレイに問えば「いいや。わくわくしているよ!」と元気に答える
出発する理由が理由なのに、突然の別れだったというのにこの男は、と溜息をつくが自分も同じ気持ちである
でも何故だろうか、胸の中がざわついていた
イズチの皆のことか。アリーシャのことか。違う、スレイのことだった
今後『人間』と関わって行くだろう、そして人間世界で生活していくのだろう
もし自分のことなど忘れいったらどうしよう。もし自分が傍にいることを忘れていったら
もしかしたら人間世界に溶け込んでいって自分の事が見えなくなったらどうしよう
天族のことなぞ忘れ、いつしか家庭を持って、そして自分は・・
「ミクリオ」
名を呼ばれビクリ、と身体を震わせる
「どうした。疲れたか?」
「あ、あぁ・・もしかしたら・・」
「急だったもんなぁ、ろくに休まないで出発したし。ここらで野宿にするか」
「いやでも急ぐんじゃ・・」
「そんな調子でつっこんで、もし敵に出会ったら怪我するかもしれないだろ?お前らしくないな。いつもなら急ぐ俺を止めてくれるのにさ。いつもと逆だ」
笑うスレイの笑顔が眩しい。悩んでいた自分が馬鹿らしくなるくらいに
「ああそうだな。君に指摘されるようでは僕もまだまだだ、情けない」
「ちょっとそれどういう意味?」
「そのままの意味だ、さぁ野宿の準備をしよう」
今はこの笑顔は自分だけのものだ、短い時間であろうと、長い時間であろうと今だけは自分だけの笑顔、二人だけの時間である
と。ここで疑問が浮かぶ
何故突然こんなことを考え始めたのか
まるでこれでは恋する乙女ではないか
野宿の準備を終え、食事をとりすぐに就寝に入る。
なにか話しかけてくるかと思ったがスレイはそのまま寝入ってしまう
どこか寂しくもスレイらしい、とおもいながらミクリオは樹から覗く星空を見ていた

イズチにいたころ女性陣に恋はしないのかと言われたことがある
していないと答えるとつまらないと笑われてしまったは「ここじゃあ皆家族みたいなもので恋心なんて中々生まれないわよね」と皆が納得していた
なるほど。と自分も納得してしまう。そもそも天族に家族など不要じゃないのか、なら恋愛なぞしなくてもいい。と考えていると「恋愛なんてしなくてもいいなんて考えているでしょ。そんなんじゃつまらないわよ!若いんだから恋愛しなさい恋愛!」と背中を強く叩かれた覚えがある
恋愛こそつまらない。恋しているといえば遺跡にだろうか、とおもったがそういうのはスレイだけで十分だ。とここでふと思いついた、スレイは人間だ。恋愛をし、家族を持って子孫を残すことが出来る。そうすると自分より彼のほうが恋愛に適しているだろう。そう思うとやはりイズチではなく外の世界に行ったほうがいいんじゃないか、とそのころからふつふつと考えが浮かんでは消えていた
消えていた、というよりは考えないようにしていたのだろう
自分の傍からスレイがいなくなるなんて、考えてもいなかったからだ
傍にいるのがあたりまえで。ずっと一緒にいて
家族で兄弟で、一番近い存在で
そんな人と別れる日がくるなど。恋人でなくとも寂しいものだ
そう、だからこの思いは家族愛のようなものだろう。天族でもこういう想いを持つことができるのだなと思う幸せだ
一人納得をしながらその想いを胸にミクリオもそっと目蓋を閉じた


 ────スレイが、導師となった
剣が引き抜かれ、大きな力が溢れ出る
その時の彼はひとまわりもふたまわりも大きくなったように見えたと同時に
ああ、ついにきてしまったと、どこかでわかっていた自分もいながらも目の前で起きたこの奇跡に立ちえたことに胸が躍っていた
やはり自分もスレイのことを馬鹿にできないほどの馬鹿らしい
こんなに胸を締め付けられながらも同時にドキドキとしているのだから
「スレイさん!」
「スレイ!」
ライラとアリーシャが声をあげる。その声に現実に引き戻され急いで自分も駆け寄った
「凄い熱だ・・!」
「私を取り込んだからでしょう。おそらく三日ほどは熱にうなされると思います」
「三日・・!?」
よほど自分が悲痛な表情を浮かべていたのだろう。ライラは優しい笑みで「大丈夫ですよ」と落ち着かせてくれた
そのあとはアリーシャの手配もあり宿屋の一室を借りた
宿屋の人が定期的に様子を見に来ては冷たいタオルを取り替えようとするが来るたびに冷たいタオルに宿屋の者は首を貸しげた
「ミクリオさん、心配なのはわかりますが私たち天族がスレイさんを世話をすると不思議がられますよ?」
「わかっている。でもこのままにしておけないだろう」
「ふふ、ミクリオさんはスレイさんが大好きなのですね」
「幼馴染というだけだ」
「なるほど!男同士の友情ですね!」
「あー・・まぁ、そんなものだ」
「なるほどなるほど!勉強になりました!さて、私はそろそろ眠ります。ミクリオさんもほどほどに・・」
「ああ」
ライラは隣のベッドに横になるとすぐに眠ってしまう。ミクリオはスレイの眠るベッドの横の椅子に腰掛じっとスレイを見ていた
「・・・スレイ、君は。もうただの幼馴染じゃないんだね」
非常に情けないほど弱ったような声で呟く。と、スレイが身じろぎベッドから腕が落ちる
まったくしょうがないな、と思いながらその手をとりベッドの上に戻そうとすると手をそのまま握られてしまう
「っ!スレイ・・?」
「う、ん・・・」
返事ではなくうなされているだけだろう。元気づけるように手を握る。そうすると気休め程度だが表情が楽になる
「・・ずっとこうしていてやる。だから早く元気になれ」
いまのスレイが少しでも楽になるならなんだってする。そういう思いで腰を上げるとそっと額に口付けをした
近所に住んでいた天族の女性が小さい頃、スレイが熱を出したときにやっていたおまじないだ
「・・スレイ・・・」
こっぱずかしさなど湧いてこなかった。ただただ熱が一秒でも早く下がりますようにと願いをこめた口付けだった

「もう大丈夫なのですか?」
「ああ!熱も下がったし!アリーシャにお礼いわなきゃな!」
ほんとにきっかりきっちり三日眠り続けた彼に呆れながら溜息をつきながらいつものように悪態をつくとスレイは頬をかくと自分の隣にやってくる
「心配かけたな」
「まぁさすがに三日だからな」
「あ、心配してくれたんだ」
「すこしな」
「そっか。でも、ありがとうな」
「ん?」
「看病。してくれたんだろ?」
「それは宿の人が・・」
「いーや俺知ってる。手、握ってくれてたろ」
「はっ・・!?」
まさか起きていたのか!?気づいていたのか!?と勢いよくスレイを見ると「あ、やっぱりそうだったんだ!」と笑う
「か、かまをかけたな!?」
「いやー夢で優しい女の人が手を握ってくれてたんだけど、もしかしたらミクリオだったんじゃないかなーって」
「なんだそれは、僕は女じゃないぞ」
「んー。ミクリオのお母さんかも?」
「・・普通そこは君のお母さんじゃないのか?」
「でもほんとミクリオに似てたんだって!顔はぼやーっとしてたけど・・いややっぱあれミクリオだって!んで俺にキスしてくれたんだよ!おでこに!」
「!? そ、そそ、そうか」
「あれ、でも。その夢の人はミクリオで・・ってことはキスも・・」
「ほ、ほら!はやくアリーシャのところにいくぞ!」
「え、ミクリオ!?あ、そっちはアリーシャの家じゃないぞ!」
こっぱずかしくなかったはずなのに、こうも本人にいわれると顔から火が出そうになる
イズチの女性もこんな気持ちだったのだろうか。それともまだまだ自分が子供だからだろうか
どちらにせよもうあんなことはしない!とミクリオは顔を赤くしながら早足でそう誓った

「あらまぁ・・これはこれは・・なるほどぉ、ふふ、うふふふふぅ♪」
ライラは何かを察したのか口元を押さえながら二人を見ながら笑っていた





+*+*+あとがき+*+*+
初スレミクです
冒頭の運命の人といいだしたのはスレイです!が、本編はミクリオ視点です
実は両思いだけど自覚はなしで、そもそも恋にすら発展していない状態です
でも大きな旅立ちという動きをきっかけにこの二人も進展していきます。まず自覚していくのはミクリオから
そして天族と人との壁を時間の過ごし方の違いに苦悩をするけど、スレイには気づかれないようにする
スレイは悩んでいるのはわかるけど話してもらえない。とここで人生の先輩のパーティ天族やロゼに相談しているミクリオを見て「俺には話せないのに皆には話せるのか・・?」ってもやもやするスレイとかなっちゃえばいいと思います

で、TOZをやってるんですがスレミクちゃん尊い・・ですね。この沼相当やばいです、久々の公式からのドストライクにどうしたらいいかわかりません。ミクリオ美人すぎか
今後のスレミクちゃんは甘くしたり切なくしたりしたいです。ちなみに現時点でのゲームの進行はもうすぐでラスボスです
こういう手のゲームは終盤とわかると終わりたくないから進めなくなるタイプです。エリクシールとかとっとく系です。とりあえずレベル上げでもします

今回の熱ネタ。序盤からネタとしておいしすぎてほんともうなんかときめきが止まりませんでした
また書きたい、熱ネタは、おいしい・・・
タイトルはまだ芽生えたばかりの恋心、ということでひらがな+淡い桃色です
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作者の内側

夏神龍

Author:夏神龍
誕生日:3月11日
職業:フリーター
性格:自己満足典型的B型変態スケベ
趣味:ゲーム、PC、現実逃避、セクハラ、ツイッターとゲーセンを行き来している
声優:森田さん、下野さん、蒼井君、etc...
絵師(敬称略):MAYA、GOLI、pako、いのまたむつみ、カズアキ、野村哲也、天野喜孝
漫画:WJ、ガンガン、その他無造作、少女漫画は少ない
ゲーム:RPG(テイルズ、FF)、戦国系、乙ゲー(スタスカや幕末恋華、ブラコンなど)、音ゲー
アニメ:深夜系中心
番組:LADY、ヘキサゴン、平成教育委員会、CDTV、ベストハウス、黄金伝説、伸介プロデュース、怒り新党
歌手(敬称略):宇田多ヒカル、B'z、天野月子、 T.M.Revolution 、ALI PROJECT、あさき、Des-RoW、秋桜、ユンナ、ボカロ、羞恥心、 etc...
西川とあさきへの愛情は異常

その他時々増えます














・・・・・もそもそ・・・・。


此処での中心ジャンルは音ゲなのでキャラの趣向をkwsk
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